最新のテクノロジーがひしめく世界最大級の展示会「World of Concrete 2026」を視察した翌日、私たちは、ラスベガスから車で約40〜50分のところにある、アメリカ建設史の金字塔ともいえる場所へ向かいました。
それは、1930年代の大恐慌時代に建設された巨大ダム「フーバーダム」と、その建設のために作られた街「ボルダーシティ」です。

90年経っても色褪せない「コンクリートの底力」
目の前に現れたフーバーダムは、まさに圧倒的でした。高さ221メートル、幅379メートル。その巨大な壁面を構成するのは、計325万立方ヤード(約250万立方メートル)という気の遠くなるような量のコンクリートです。
展示会で最新の「3Dプリンティング」や「低炭素コンクリート」を学んだ直後の私たちにとって、約90年前の技術でこれほどまでの構造物が造り上げられ、今なお現役で機能している事実は、衝撃的でした。
特に注目したのは、コンクリートの「耐久性」と「美しさ」です。過酷な砂漠の環境下で、歳月を経てなお力強く存在するその姿は、私たちが日々扱っている素材が持つ「無限の可能性」を改めて教えてくれました。大きな水圧に耐えるための設計や、コンクリートの熱を逃がすための冷却パイプの使用等、独自技術を用いてこの世界最大級のダムは完成したそうです。時代を超えた職人たちの魂が伝わってきました。


「ボルダーシティ」に学ぶ、景観とコミュニティのデザイン
ダム見学のあと、私たちはダム建設作業員とその家族のために計画された街「ボルダーシティ」を散策しました。
この街は、当時としては珍しい「計画都市」です。緑豊かな公園を中心に配置されたアール・デコ様式の建物や、統一感のある街並みは、今なお美しく保たれています。ラスベガスの喧騒とは対照的な、静かで落ち着いたこの街の佇まいからは、「心地よいエクステリア・住環境」を感じました。
単に建物を作るのではなく、そこで暮らす人々の誇りとなる「景観」をどう作るか。年月を重ねるほどに価値が増す「経年美化」の重要性を、この歴史的な街の風景から学びました。



